日本語教師の給料・働き方とは?【新国家資格『日本語教師』について解説】

日本語教師の給料・働き方とは?【新国家資格『日本語教師』について解説】
目次


日本語教師になろう!

 現在、日本語教育の需要は高まっており、同時に日本語教師という職業にも注目が集まっています。日本語教育と聞くと、一般的な知識を使って日本語を教えるように思えますが、実際は普段使う日本語とは異なり、専門的な知識が必要となります。そのため、2024年4月から「登録日本語教員」として国家資格になりました。

 この記事では日本語教師に興味をお持ちの方や「日本語教師についてもっと詳しく知りたい!」とお考えの方のために、日本語教師の待遇について、具体的な給与や働き方のモデルを踏まえご説明いたします。

日本語教師の勤務形態は?

 まず、日本国内での日本語教師の働き方についてご説明いたします。
 日本語教師の勤務形態は、常勤の専任教師と非常勤講師の2つがあります。

 2022年のデータ※1によれば、専任教師が6571人、非常勤講師が15891人で、非常勤講師が多くの割合を占めています。

 専任教師は一般的な会社員と同じく月給制です。日本語の授業のほかに、学校スタッフとしての事務作業(受講生の募集や管理、教員の授業管理、カリキュラムの作成など)を担当することもあります。
 日本語教育機関の告示基準では、各日本語教育機関で専任として勤務する教員の人数が「2人以上」であり、「生徒の定員60人につき1人以上」でなければならないという要件があります。そのため、専任教師の需要は非常に高くなっています。

 非常勤講師は担当授業がある時だけ出勤し、働いたコマ数に対して給与が支払われる仕組みになっています。非常勤講師は専任教師ほど事務作業などが多くないため、日本語教育に集中できます。
 また、非常勤講師として働く場合、多くのコマ数を担当して収入を増やすことや、逆に担当するコマ数を抑えて家事や子育てなどのプライベートの時間を増やすなど、自身の働き方を調整することが可能です。通常、非常勤講師としてある程度の経験を積んでから専任教師になるケースが多く見られます。

 それ以外にも、国内の企業に雇用されるケースも存在しています。その場合は日本語を母語としない従業員の方々に日本語を教えることが主な仕事となります。

※1 日本語教師になる本2024より抜粋。

日本語教師の給与は?

 専任教師の場合の初任給は一般企業並みで、キャリアによって増加する傾向があります。専任教師の平均年収は450万円となっています。

 非常勤講師の場合は、1コマあたりおよそ2,000~2,800円が相場となっています。非常勤講師の平均給料月額は13万円前後の方が多くなっております。主婦の方や退職後に日本語教師を始めた方は、意図的に担当する授業数を抑えて働く人もいます。平均給料月額が13万円程度となる背景にはこうした事情も含まれています。

 2024年4月から始まる「登録日本語教員」の国家資格化は、資格取得者の待遇向上を目指すものでもあります。今後はプロの日本語教師の存在感が高まることで、収入の増加も予想されます。

 次に日本語教師になるのはどういった方が多いのかをご説明します。

日本語教師になるのはどんな人たち?

 日本語教師は、学校に常勤し学校の運営にも関わる専任教師と、担当する授業のコマごとに給料が発生する非常勤講師とに分かれており、自分のライフスタイルや目標に合わせて多様な働き方が選べる仕事です。
 その働き方の自由さからか、現在は女性の方が多く活躍しています。また、働く際に年齢の制限などもないため、60歳、70歳を超えて現役で働く方も少なくありません。他にも、副業やセカンドキャリアとして自分の経験を活かして働く方も多くいます。
 もちろん、男性の方が就職することも珍しくはありません。また、最近は新卒の方が日本語教師になるケースも増えています。

 最終学歴は四年制大学の文系学部の卒業者が多く、その中でも文学部の卒業生が多い傾向にあります。
 他には、何らかの海外滞在経験を持つ方や、自分の母語が伝わりにくい環境に触れた方、または元々言葉に興味があった方が日本語教師という仕事に興味を持つ傾向にあります。

福田先生の声
 実際に行知学園で働く福田先生に、日本語教師のことや行知学園のことをお聞きしました。
 日本語教育の現場からの生の声をお届けします!

就職率について

 現在の行知学園の就職率はほぼ100%です。
 修了後はボランティアや、海外に就職される方など、さまざまな進路を選ばれる方がいらっしゃいます。他にも進学希望の方や、大学四年生でこちらの講座を受けて、資格を取った後に大学院にいくような方などはもちろんいらっしゃいます。
 しかし就職を希望された方、「日本語教師になりたいです」という目的を持って行知学園に来た修了生の就職率は100%です。

行知学園の修了者の待遇
 行知学園の修了生がその後どのような働き方をしているのかをご紹介いたします。
 一人目は30代の女性です。初年度から専任教師として勤務しており、勤務時間は月曜日から金曜日、8時から17時までのフルタイムで働いている方がいます。その方の初年度の給与が月給25万円です。
 他にも最近の修了生の方には70代の男性の方で嘱託会社に就職された方がいます。その方は月給で18万円ほどと伺っています。

 さらに、クラスを担当した勤務年数が3年を超えると主任として働くことができます。その際、主任手当が支給されることもあります。
 行知学園の修了生の中には主任の先生ももちろんいらっしゃいます。その方は40代で、月給35万円、主任手当ては3万円となっております。


 国内や海外といった、国を問わず働く場所のある日本語教師ですが、具体的にどんな場所で働いているかを次の項で説明いたします。

日本語教師の働く場所は?

 大きく分けて、日本国内で働く場合と海外で働く場合があります。

日本国内で働く場合

 日本国内で働く場合、日本語学校やプライベートレッスンなどで教えるのが主流となっています
 また、市区町村でのボランティアや留学生を対象とした大学で働いたり、民間の語学学校や企業・法人向けの研修会を行ったり、ビジネスパーソンやその家族が通う日本語教室で教えるケースなどもあります。

海外で働く場合

 海外では、民間の語学学校だけでなく、教育機関の外国語科目や大学の日本語学科で教える働き方が可能です。それ以外にも個人で日本語を教えている働き方や、海外の企業で日本語教育を行う働き方もあります。
 その他にも発展途上国の教育支援などで活躍している方が多数いらっしゃいます。
 最近では、オンラインで日本語教育を提供するという働き方も増えてきており、さまざまな場所でその人に適した働き方が可能です。

まとめ

 日本語の教師には学校に所属し、常勤で働く専任講師と、自身の受け持つ授業を選んで働くことができる非常勤講師という形態があるため、自分の働きたいスタイルに合わせて働くことが可能です。
 また、今後は国家資格の導入により、待遇のさらなる改善や知名度の向上が予想されています。

 しっかりと学ぶことにより、誰でも日本語教師になることができます。日本語教師に興味を持たれた方は、ぜひ行知学園日本語教師養成講座までお問い合わせください。